音声日記を毎日録音する技術者が作ったシステムの全貌と学び
ある技術者が、自分の音声日記を毎日録音・自動処理するシステムを個人で開発した話が注目を集めています。ポッドキャストに刺激を受けて始めたその試みは、単なる日記ツールを超えた「自己理解の自動化システム」に発展していきました。この記事では、そのシステムの全貌と、開発・運用を通じて得られた学びを紹介します。
システムの全体像
このシステムは「録音→処理→振り返り」の3段構造で設計されています。
録音層: スマホのショートカットで1タップ録音を開始し、終了と同時にDropboxの指定フォルダに自動保存されます。ファイル名は日時が自動付与される設定です。
処理層: Dropboxに新しいファイルが追加されると、n8nのトリガーが起動します。Whisper APIで文字起こしし、テキストをClaudeに渡して「感情トーン分析」「主要テーマの抽出」「翌日へのアクション候補」を自動生成します。
振り返り層: 処理結果はNotionのデータベースに自動追加されます。週次・月次のサマリーも毎週日曜夜に自動生成され、Slackの個人チャンネルに届きます。
開発にかかった時間と難所
全体の構築には約6週間かかりました。録音からDropbox保存までは1日で完成しましたが、Whisperの精度調整(専門用語の認識)や、Notionのデータベース設計に時間がかかったとのことです。
最大の難所は「Claudeへのプロンプト設計」でした。単純に文字起こしを渡すだけでは表面的なサマリーしか返ってこないため、「自己観察者の視点から話者の思考パターンを分析してください」のような具体的な指示が必要でした。このプロンプトの改良に2週間ほどかけたといいます。
運用してわかった意外な価値
「言語化していなかった感情」の発見: AIが感情トーンを分析することで、自分では「普通の日」と思っていた録音が「不安要素が多い」と判定されることがありました。それを見て「あ、確かにあのとき少し不安だったな」と気づく体験が複数回あったそうです。
週次サマリーの「予想外のつながり」: 1週間の録音をまとめて処理すると、個別には気づかなかったテーマの繰り返しが見えてきます。「今週は3日連続で『評価されること』への不安が出てきている」のような気づきが、自己理解を深めました。
録音の障壁がなくなった: 「録音して終わり」ではなく「録音すると自動的に整理される」という設計にしてから、録音に対する心理的ハードルが消えたといいます。
技術者でなくても参考になるポイント
このシステムの中で、最もシンプルに再現できる要素は「ファイル名を日時形式で統一して保存場所を一つに決める」ことです。この基盤があるだけで、後から自動化を追加しやすくなります。
また、週次のサマリーを人力でやるだけでも、1週間の録音をまとめて聴き返す習慣が振り返りの深さを変えます。
声景編集部の見解
技術者の視点で設計された音声日記システムは、「録る」「整理する」「振り返る」の自動化モデルとして参考になります。全部を自動化しなくても、一つの工程を楽にするだけで継続しやすくなります。
声景について
声景(Koekei)は、録音しながらAIがリアルタイムで「問いのカード」を差し込むジャーナリングツールです。「今日の音声で一番気になった瞬間を教えてください」という問いが、後からの分析ではなく録音の瞬間に届きます。現在β版のウェイトリストを受け付けています。
まとめ
- 録音→Whisper文字起こし→Claude分析→Notion保存の自動システムを6週間で個人構築できる
- AIの感情分析が「自分では気づかなかった感情」を発見する入口になった
- 「録音して自動整理される」設計が録音への心理的ハードルをなくした
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